自分を売り込むということ
私の泥臭い話をしましょう。
私は欧州金融に知り合いができてきて、20代後半の時にどうしてもプライベートバンカーになりたいと思いました。
そこで、ロスチャイルド銀行のスイス人バンカーに相談をしました。
「本気で言ってるのか?もし本気で言ってるのなら、海外でMBAかMSc Finance(金融系修士)を取れ。そうすれば話だけは聞いてやる。だが、そうでなければ話のほかだ。」
私はそのダイレクトな物言いに衝撃を受けましたが、MBA留学を決意しました。
その数年後、MBAの合格が決まったとき私はすぐに欧州金融への就職活動を始めました。
知り合いのつてをたどり、あるスイスの投資顧問会社の代表に会わせてもらうことになりました。
留学中で金欠の私はイギリスからLCCでジュネーヴに向かいました。
スーツを着て、自分の履歴書を片手にオフィスのドアを叩きました。
中に入ると現代アートがかけられたモダンな廊下の奥に面談室がありました。
ほどなくして、眼鏡をかけ、とてつもなく風格の漂う初老のスイス人が現れました。
「話は聞いている。よく来たな。」「我々は経験あるプロフェッショナルしか雇わない。」
と最初の1分で言われました。
そこで、はいそうですかと帰るわけにはいきません。こっちはわざわざ日本からイギリスに留学行き、さらにジュネーヴまで職探しに来ているのです。
「それはわかります。こちらで雇っていただけないのであれば、それは仕方のないことです。ですが、私がどうゆう人間かわかっていただけることで、互いに得になることもあるかもしれません。御社は日本顧客をお持ちですよね?お話を聞いていただけませんか?そして日本デスクがある銀行や投資会社につないでいただけませんか?」
そこから私は自分の世界経済の見立てや、長期的に見た場合の日本経済のゆくえ、日本マーケットの特徴の説明をしました。話が終わるころには、彼とはすっかり話し込んでいました。
そして彼は言いました。
「君を助けよう。」
私は何とかなった。これでスイスにつながったぞと安堵しました。
その夜、私はその夜、ジュネーヴのホテルに帰った途端に風邪をひきました。
緊張が解けたのでしょう。
帰りの便で風邪が悪化し、イギリスに戻ってMBAの顔合わせ会に出ることもできずに留学生活が始まりました。
イギリスに帰り、ジュネーヴで話した代表の情報をLinkedInで調べました。
私は驚愕しました。彼はUBS銀行ブリュッセル支店の元頭取かつ、ルクセンブルク支店の元最高経営責任者(CEO)だったのです。
彼の経歴を知っていたら、緊張でうまく話せなかったでしょうからある意味知らぬが仏かもしれません。
でも、どうでしょうか。みなさん。動いた価値はあったと思いませんか?
私は決して有名で優秀な人間ではないので、黙っていてお声がかかる千両役者ではありません。自分の存在を知ってもらえるように動くしかありません。
そのような場合に自分のプレゼンテーションがしっかりできるかどうかで、あなたのキャリアや人生は大きく変わります。
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よくお客様に聞かれる質問の中で、どうして投資助言ではなく投資教育なのですか?というものがあります。 その答えは至極簡単でして、投資助言は一過性の効果しかないのに比べ、投資教育は一生ものの能力であるからです。 それなりに高額なフィーを頂戴する立場である以上、お客様に提供するものは本当に価値があり、持続性があるものでなければなりません。投資に必要な知識、相場変動に対するストレスマネジメントなどは一度身